前回は「求職者支援制度の概要」について書いてみました。仕事を探しているマジメなあなたなら受講要件は満たしているはず。
ところで、求職者支援制度は、給付金(正確には職業訓練受講給付金といいます)を受給できる/できないに関わらず条件を満たせば講座自体は受講することができます。ですので、「給付金の受給要件に当てはまらない=訓練を受講できない」というわけではありませんのでご注意ください。
チャート式にすると、
↓
求職者支援制度の対象だ。(特定求職者だ)
↓
さらに給付金の受給資格もある。
↓
じゃあ給付金ももらいつつ受講だ!
という流れでしょうか。
では、恐らく多くの方が気になっている職業訓練受講給付金について解説していきましょう。
Contents
職業訓練受講給付金
受給要件
厚労省側からみたら支給要件ですね。パンフレットなどには下記のように記載されています。
1 本人収入が月8万円以下(※1)
2 世帯全体の収入が月 25 万円(年 300 万円)以下(※1、2)
3 世帯全体の金融資産が 300 万円以下(※2)
4 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
5 全ての訓練実施日に出席している
(やむを得ない理由がある場合でも、支給申請の対象となる各訓練期間の8割以上出席している)(※3)
6 同世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいない(※2)
7 過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けたことがない
※1 「収入」とは、税引前の給与などの他、年金その他全般の収入を指します(一部算定対象外の収入もあります)。
※2 「世帯」とは、本人のほか、同居または生計を一つにする別居の配偶者、子、父母が該当します。
※3 「出席」とは、訓練実施日に全てのカリキュラムに出席していることをいいます。遅刻・欠課・早退は欠席扱いとなります。
* 訓練期間中から訓練終了後、定期的にハローワークに来所し、職業相談を受けることが必要です。
* 過去にこの給付金を受給したことがある場合は、前回の受給から6年以上経過していることが必要です(連続受講の
場合を除きます)。
上記にも書いてありますが「全てを満たす方が対象」ですので、どれかひとつでも当てはまらない場合は支給されません(審査で落ちますし、そもそもハローワークの担当の方が申し込みさせてくれません)。そしてこの要件は受講中も毎月チェックされます。途中で要件に当てはまらなくなるとその時点から支給されなくなるし、また逆に、途中で支給要件に当てはまるようになるとその時点から支給されるケースもあるようです。
7番の今までに不正行為がないのは当たり前として、安定した就職を目指している受講者がより安心して通うための制度ですから、お金のある人には支給されません。支給要件を見てわかるように「お金がない人」というのが前提ですね(私が貧乏だったのもバレバレですけど、、、)。そういうわけで「今、私にはお金がありません、金融資産(貯金など)もありません、土地・建物も持ってません」ということを証明しなければなりません。そしてそのためには、必要書類を提出し事前審査に合格する必要があります。
また、訓練は8割以上の出席が必要です。じゃあ2割休んでもいいのかというと、これにも細かい条件があります。つまりそう簡単には休めない仕組みになっているわけです。結構厳しいですよ。
それでは、支給要件について詳しくみていきましょう。
本人収入が月8万円以下
手取り額ではなく、税引前の給与等の額(総額)ですのでご注意を。収入額が総額8万円まででしたら受講中にアルバイトなどをしても問題ありません。
問題は申し込み時点での収入額ですね。パンフレットによると「事前審査申請日の前月分の収入を証明する書類」を出してくださいとあります。ですので、申し込み時点(=申請日)の前月に大きな収入があると、最初は審査に通らないということになります。ですが、前述のとおり途中から支給要件に当てはまるケースもあるようですので、そのあたりはハローワークの担当の方に詳しく聞いてみましょう。
私の場合は失業保険の給付を受けていたのと、派遣で数日働いた分があったので、雇用保険受給者証と給与明細を提出しました。そうそう、失業保険は収入とはみなされませんので、失業保険の給付が8万円を超えていても大丈夫です。
世帯全体の収入が月 25 万円以下
ごめんなさい、私は単身なのでこれはよくわからないです。同一生計の方の直近の収入証明を提出する義務はないようですが、前年分の収入を証明する必要があるみたいですね。
世帯全体の金融資産が 300 万円以下
これについては、同一生計者を含む全員分が対象のようです。書類としては前年の所得を証明する書類や、銀行残高証明書などの提出が求められます。おそらく「前年に多くの収入があるのに現時点で300万円以下の金融資産しか持ってないっておかしいやろーーー」みたいなことも調べるんでしょうね。
前年分の収入については市町村から発行される「所得証明書」を提出するのが手っ取り早いと思いますが、ここで注意点が。それは「年度」と「年分」の違い。ハローワークが欲しいのは「前年分」の所得証明書です。つまり「年分」のほう。
平成24年1月〜12月分(平成24年分) = 平成25年度分 = 平成25年6月以降に発行される
平成23年1月〜12月分(平成23年分) = 平成24年度分 = 平成24年6月以降に発行される
平成22年1月〜12月分(平成22年分) = 平成23年度分 = 平成23年6月以降に発行される
平成21年1月〜12月分(平成21年分) = 平成22年度分 = 平成22年6月以降に発行される
上記のとおり、年分と年度では1年ずれがあるのがわかりますか?ややこしいですよね、これ。間違いないのは「一番最近の所得証明書をください!」と市町村に言うこと。これが確実です。
ところが、私は「◯◯年分の所得証明書をもらってきてくださいね」と言われたところを「◯◯年度」の所得証明書だと思って、役場には「◯◯年度の所得証明書をください」と言ったんですね。そしてそれをハローワークに持っていったら「それは前前年分です」と言われ・・・再取得となりました。
上記の例で言うと、
平成24年5月の時点で取得できる直近の所得証明書は「平成22年分」です。なのでハローワークからは「平成22年分の所得証明書をもらってきてね」と言われました。ところが私は役場で「平成22年度分の所得証明書をください」と言いました。発行されたのは「平成21年分」でした。
というわけです。しかも書類を持っていったのが締め切りギリギリ。これは焦りましたよ。みなさん気をつけてくださいね。
現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
これは口頭で聞かれたので「持ってません」と答えましたけど、、、仮に隠そうとしても固定資産税の納付なんかでバレるんじゃないかしら?と思っています。
全ての訓練実施日に出席している
必要な証明書類の提出がなければ「やむを得ない理由」として認められません。
やむを得ない理由に該当するかどうか、必要な証明書類など不明な点についてはハローワークにお尋ねください。
やむを得ない理由と認められた場合でも、支給申請の対象となる各訓練期間に8割以上の出席がなければ支給されません。
基本は「休むな」ということです。ただし、やむを得ない事情があれば休むことはできます。ですが、やむを得ない事情があって休んだとしても各訓練期間の8割以上の出席がなければ給付金は出ません。給付金を受給するためには出来る限り休まないことです。風邪引いたくらいで休んでいては受給できませんし、遅刻も厳禁です。
ところで各訓練期間とういのは全体の期間ではなく、1ヶ月ごとの期間をいいます。
訓練は全部で3ヶ月とか6ヶ月とかですが、それを1ヶ月毎に区切って受講態度や給付金の支給要件をチェックするんです(月に一度、ハローワーク来所日というのがあります)。ですので、その1ヶ月の間に8割以上出席していればOKですね。
じゃあもう給付金はいいから休んでしまえ〜と思って休んだとしたらどうなるか。こうなると受講態度が悪いってことで最悪退校です(実際にいましたよ)。ですので、いずれにしても「休むな」ということです。
あと、やむを得ない理由で気をつけなくてはいけないのが下記のうち③と④です。
本人の病気または負傷のため
【次のうちいずれか1点 ①医師または担当医療機関の証明書 ②医療機関または調剤薬局 の領収書(※調剤薬局の領収書は処方箋に基づき調剤された薬の領収書に限ります) ③処方箋(写しで可)】
親族(6親等以内の血族、配偶者、3親等以内の姻族)の看護のため
【同上】
求人者との面接やハローワークが指示した就職セミナーなどの受講のため
【面接事業主の証明書、セミナー参加証 など】
列車遅延、交通事故、天災その他やむを得ない理由のため
【遅延証明書、事故証明書 など】
電車の遅延とか事故とか、就職活動のための面接などで受講に遅れたりしただけでも「欠席」です。遅刻や早退という考えはなく、少しでも受講できなかった時間があったらその日は欠席扱い。これら欠席は1ヶ月の受講日数の2割以内にしなくてはなりません。
電車の遅延とか不可抗力じゃないですかーーーと反抗しても無駄。「そのために日頃から早め早めの行動をしてくださいね」と言われて終わりです。私は遠方から通っていたのでちょっとでも遅延があるとリカバリーがきかないうえに、何かあるとすぐに電車が止まってしまう沿線を使っていたのでそれはそれは冷や汗ものでした。(ラッキーにも遅刻しなくて済んだけど)
私はこう思う
支給要件とかやむを得ない欠席とか、色々と決まりごとはありますが、ちゃんとハローワークに行って相談して、まじめに受講していれば何ら問題はありません。まずは行動することが大事!求職者支援制度に興味をもったら早速ハローワークに行きましょう!事前審査のためには書類の用意も必要ですから早め早めの行動が吉ですよ。
※この記事は私の記憶を元に書いている部分もあります。現行制度とは違う部分があるかもしれませんので、必ずハローワークで相談してくださいね。何かあっても当ブログでは一切責任を負いませんのであしからず。
次回は、実際の講義内容などについて書いてみたいと思います!
求職者支援制度で受講中は「学生」扱いです!
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求職者支援制度の本もあります。
少し古いですが、厚生労働省のホームページよりわかりやすいとレビューにあります。
36歳のときにそれまで勤めていた金融業界を卒業、地に足の着いた生活がしたいと東京・渋谷から房総へ移住。Webデザイナー養成校に通い、40歳のときにWebデザイナーとして独立。地方在住・40歳・コネなしからスタートして、現在は仲間と会社を作るまでに成長。今の興味は資産形成とブロックチェーン。ビットコインのマイニングもやってます。